阿南光高等学校 出前講座

2020年2月25日(火)に阿南光高等学校 多目的ホールにて、がん検診受診率向上のための出前講座を行いました。

【講話の内容】
○阿南医療センター 寺嶋吉保氏
1)はじめに
 親や自分ががん・生活習慣病で早死にするリスクを下げる方法をお話するので、自分の健康に対して対処出来るように、考えるきっかけとして活用して下さい。帰ったら家族の方にがん検診を受けているか話し合って欲しい。

2)がんの実物写真から訴える日本のがん事情
 大腸がんのがん検診で便に潜血が出て精密検査に至った内視鏡写真を見せ、初期の早期がんから進行がんまでの段階を摘出手術の違いで説明した。何故がんが怖いのか。人生の最後をがんで迎えるのは必ずしも不幸ではない。長寿になったためにがんが増えて来たのだ。
 日本人は昔胃がんで死んでいたのが今は大腸がんや肺がんで多く死んでいる。がんは女性より男性が多く、年を取るほどがんになりやすくなる。遺伝子は昔と変わってないので生活習慣が変わってきたのが大きな原因だ。若い皆さんは自分とがんと関係ないと思っているかもしれませんが、どういう生活をするか、喫煙や食生活などの生活習慣が将来の健康に関わってくる。これらは何十年か先には発がんリスクに関わり、がんになる確率が変わってくるかもしれない。

3)がんの早期発見とがん治療
 がんが出来ると色んな症状が出る。残念ながら皆さん症状が出てから病院に来る。がん検診で早期がんが見つかると簡単な手術で取れる。体の中の広がりによって治療方針が変わるので検査をする。
 治療法として基本は手術、抗がん剤、放射線、緩和ケアを組み合わせ患者さんに応じて対応していく。これらの治療法で患者さんのがんが治る確率は全体的に平均して6割くらいだ。今はまずがんを予防をして、がんを早期発見をして、がんを治療をして、痛い、苦しいなら緩和ケアを提供する総合的な対応を取る時代となっている。
 最近いい加減な情報がネットで流れているが惑わされないのが大切だ。基本は禁煙、生活習慣に気を付け、性教育を受けて感染予防をすることだ。早期発見のがん検診を受け、がんになったら適切な治療を受けるとかなりの確率で良くなる時代となっている。完全に治らなくても昔なら半年で亡くなっていたのが2、3年元気で生活している人が多くいる。苦しい時、痛い時には同時並行で緩和ケアを提供している。

4)がんにかかるリスクを減らすには
 がん細胞は急には出て来ない。色んな原因で遺伝子が傷付いてがんは起こる。みんなタバコは悪いと思っているが食事も3割くらいのウエイトを持っている。特に赤いお肉、四つ足の肉、ハム、ベーコンなど加工食品は、魚や鶏より良くないと言われている。タバコは色んながんに影響を与え、がん以外にもくも膜下出血とか肺気腫、潰瘍などの病気を増加させる。女性は胎児に悪い影響を与え、さらに皮膚の老化を早める。タバコを吸う人は早死にするとデーターに出ている。10年くらい寿命に差が出てくる。お父さんや先生方にもタバコはやめた方が良いよと言ってあげて下さい。慢性の病気には共通の原因がある。禁煙、運動、食事、睡眠、アルコールを控えめにすると脳梗塞も心筋梗塞もがんや糖尿病や認知症にもなりにくい。がんになりたくないと思って今から気を付けると将来このような病気になる確率が下がってくる。日本食は塩気だけ気を付ければ良い食事だと言われている。

5)がん検診が大切
 40歳過ぎると大腸がんにかかるリスクが急に上がってくる。がん検診を受けて引っかかると精密検査の連絡が来る。この段階で大腸がんが見つかって亡くなる人はごく稀で殆どが治る。40歳、50歳代の皆さんのお父さんの年齢で亡くなったら、残された周りの人は大変で不幸になる。徳島県はみんなが検診に来てくれない。検診率が低いのは全国的に有名だ。皆さん今日家に帰ったら家族の人にがん検診を受けてと言って下さい。がんにかかりにくくする方法を教えて下さい。

○AWAがん対策募金理事 川﨑陽二氏
 今日はがん患者としてがんと向き合ってがんと共に歩んできた体験談を聞いて頂いて、これから何が大切か、何を思っていけばよいか、少しでも心の中に刻んで頂くことができたらと思っています。
 私は前立腺がんの患者です。前立腺からがん細胞が飛び出し骨とリンパ節に転移し、8年前にステージⅣのがん宣告を受けた。その時私はがんの知識が全くなかった。突然がんを告知されパニックに近い状況になった。このままなら自分のためにも家族のためにもダメだと思い、現実と向き合いがんとは何だろうと言う気持ちになるまでに3ヶ月を必要としたが切り替える事ができた。
 8年間の生活の質(QOL)を棒グラフにしてみた。宣告を受けて1年後は気持ちが安定して痛みなどが減って生活の質が好転した。しばらく安定していたが骨転移の影響が出て痛みが勝って生活の質が逆転し悪化した。現在は痛みと生活の質が綱引きをしている状況です。がん患者は毎日が良い状況で生活を送れていない事を現わしている棒グラフです。
 100人のがん患者がいれば100通りの体調と治療方法があります。私の治療は薬物療法、抗がん剤治療の化学療法が中心です。今のがん治療は通院治療が主流になってきている。5年目に刺すような夜も眠れない痛みが生じて骨転移の治療を始めた。背骨の中にある脊椎の手術をして、今立ってお話ができるようになった。しかし勤めていた職場を離れなければならいと言う悔しい思いをした。なんで自分だけがと言う思い、自分だけが不幸のどん底に居る、当たり前に出来ていたことが出来なくなって仕方なく従う、外見上理解されないなど悲しい思いをした。
 現在は泌尿器科と整形外科で治療を受けているが、自分なりに普通の日常生活が出来ている。仕事も制限はあるが病気のことを理解してもらえる職場で働いている。うれしかったことや良かったことが、苦しかったこと、痛かったことより勝っていたので今があると思っている。今までの友人以上に全国に友人が出来て友達の輪が世界に広がった。平凡な日常がすごくうれしい。幸せを感じる、感激をすることが多くなった。命の大切さと生きている喜びを感じている。自分、家族、友達などの命の大切さを今まで以上に強く感じるようになった。徳島県では素晴らしい治療が受けられると思っている。今日は皆さん方に出会えてお話をできた事こと、自分の話を少し記憶に止めて頂けるかなと思う事で力を貰っている。今日は身体的に良い状況でお話しが出来ている。
 がんは予防できる、早期発見早期治療、何事にも諦めない気持ち、免疫的にも前向きになる気持ちが大切、命の大切さ人間愛は永遠であることを学んだ。ネットでは情報が溢れているが間違った情報ではがんは怖くなる。8年前のがん告知の時は怖かった。今は一部怖い部分も有るが理解して歩んでいるので殆ど怖くない。怖い所は注意して歩んでいる。正しいがん知識を持って頂きたい。

 3つのお願いがあります。
1.がん検診で早期発見早期治療、周りの人にがん検診を受けるように勧めて下さい。
2.自分、家族の生活習慣を見直して下さい。朝ごはんはきっちり食べて、間食は少なく。
3.将来、今日のがんの出前講座を思い出して少しでも役立てて欲しい。

 最後にヘルプマークを知って下さい。外見上判断されないとき、身体が大変しんどい時に周から助けをして貰いやすくするマークです。妊産婦や義足・人工関節などの人に配慮してあげるマークです。見かけたら何かお手伝いしましょうかと声掛けをして下さい。


【趣旨】
 がんに関する知識やがん検診の重要性について理解を深めてもらい、大切な人に宛てたがん検診受診を呼びかけるメッセージカードを作成し、早期発見につなげる。

【対象】
1年生 175名

【内容】
1.講話 「親や自分ががん・生活習慣病で早死にするリスクを下げる方法」 阿南医療センター 寺嶋吉保氏
2.講話 「がんと向き合い、がんと共に」 AWAがん対策募金 川﨑理事
3.大切な人への心のこもったメッセージカード作成

2020ananhikari2.jpg

2020ananhikari1.jpg
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
QRコード
QR