城南高等学校 出前講座

2019年7月16日(火)に城南高等学校 体育館にて、がん検診受診率向上のための出前講座を行いました。

【講話の内容】
講和「がんの予防」 徳島大学医学部教授 丹黒章氏
 現在日本人の2人に1人が生涯の内でがんになり、亡くなった人の3人に1人はがんで亡くなっている。長寿国日本のがんについてお話をする。

1.はじめに
昭和56年に死亡原因の第1位ががんとなった。寿命が延び他の病気で亡くならなくなった。高い医療技術、1961年から始まった国民健康保険のお陰だ。他国では金持ちしか使えない高額の薬を日本は使える。2006年にがん対策基本法が出来たが予算措置が無い。米国では1971年から毎年予算を10兆円かけ研究した。大きく差が付いた。基本法ではがん検診を受ける、がんに掛かり難い生活をすることが書いてある。タバコが一番悪い。吸わないように。

2.がんは古くから知られている
がんは勝手に増え身体のあちこちに転移する。乳がんを取って話をすると、がんを英語でキャンサー(カニ)というが甲羅のように固くなることから付いた。古代エジプトの医者がパピルスの遺跡から乳がんを治療したことが出てきた。写実主義レンブラントは早く亡くなった奥さんをモデルにした精密な絵を描いたが、最古の乳がんの画像診断と言われている。

3.乳がんの話
女性の11人に1人が罹患している。将来は8人に1人になるかも知れないほど増えている。特徴は40代から50代でピークがある。樹木希林さん、さくらももこさん、小林麻央さんは20代で若年性乳がんが増えている。初症はしこり。乳の管の中でがんが発生してしこりを作ると、勝手に増殖して食い破ってリンパや血液で運ばれ全身に回る。見つかった時が局所の場合、リンパに転移している時、全身に転移と進行するが、早く見つけるに越したことは無い。

4.がんの原因
原因がわかると予防も出来る。遺伝性(若い時にでき易い)、感染症(肝がん、子宮頸がんなど)、生活習慣などが原因です。1番多いのが生活習慣で9割、過度の飲酒や喫煙のニコチン・タールが遺伝子に変化を起こさせる。急速に増えている大腸がん、乳がんは肉食に関係している。放射線、有害物質もある。年寄りはがんに掛からないというのは嘘で、年寄り程掛かり易い。がんにブレーキを掛ける遺伝子に異常があるのが家族性の乳がんで遺伝子が判っているのがある。家系や家族にがんが多いと注意が必要。

5.乳がんの診断と治療
診断はマンモグラフィー、超音波検査、組織検査でがんの性格を確認して手術か薬で治療する。嘗ては荒縄で縛って感染防止のため鉄コテで焼いていた。1804年に世界で初めて華岡青洲が家族の犠牲の上に全身麻酔を完成させ乳がんの外科手術が行われた。がんの再発防止のため乳房を全摘出していた。今ではリンパ節に転移が無ければ全部取らなくて良いという方法が開発されたが、転移を確認する方法は難しく、徳島大学で造影剤を使ったやり方でリンパ節が判る方法を開発した結果、リンパ節転移の判明が確実にできるようになった。手術の後、再発防止の3次予防として全身的な治療を行なう。抗体治療やホルモン剤治療は手術後1~5年間ほど掛かる。再発は2年後がピークで、その時は2年しか生きられなかった。しかし、最近は毎年分子標的治療の新薬が開発され長生きできるようになった。オブジーボに代表される薬剤は年間3500万円掛かる。医学の進歩が国家を滅ぼすという本が出された。国の健康保険がパンクする。

6.2次予防のがん検診が非常に重要
1次予防で禁煙、運動、食事など生活習慣を正す。がんが広がる前に発見する2次予防のがん検診が重要になる。欧米ではがん検診を徹底してがんによる死亡が減っているが日本は減っていない。日本の検診率は欧米の1/3。国はがん検診率を5割まで上げる運動をしている。無病息災と言われるが今は二人に一人ががんに掛かる時代。1病息災、検診で早く見つけて治療し次のがん再発を押さえる。がんを早期発見するピンクリボン運動として毎年阿波踊りでがん検診を訴えている。9月28日に阿波踊り会館をピンクに染めるイベントを行なうので、両親にがん検診を受けてと伝えると共にイベントに来て欲しい。

講和「がんと向き合う」 AWAがん対策募金理事 川﨑陽二氏
私は前立腺がんの患者です。8年前にがん宣告されステージⅣですが、医学が進歩してまた医療関係者の方々にお世話になり、現在も治療中ですが普通の生活をしており仕事もしている。

1.8年間の治療の経緯
3回の抗がん剤治療(現在3回目の抗がん剤治療中)、点滴、抗がん剤、放射線緩和治療
生活の質、自分の価値観通りの生活が出来ているか。痛みなどの生活の質の推移をグラフで表現
命の危機を感じ、がん宣告後3ヶ月間は空白の時。現実を認め、家族の事を思う
骨転移の理解のむつかしさと骨病原による脊柱管狭窄症の状況と痛み、歩行障害、苦しさ、全国初の徳島大学病院の内視鏡による2回の手術を経験
骨シンチ(骨のレントゲン検査)によるがんの転移写真、骨の治療を継続中

2.現在の状況
普通の生活、普通に就労中で介護福祉士として肉体的制限がある中で事務系の仕事をしている
泌尿器科と整形外科で治療を受けている。放射線緩和治療を受け痛みが治まり、がんを最初より抑えられ良かった
段階的抗がん剤治療で主治医と相談しながら薬物治療をしている
口腔外科で口の中を清潔にしている
整形外科で手術をして歩けなかったのが歩けるようになった

3.苦しかったこと、辛かったこと
夜が眠れない
会社を退職しなければならなくなり悔しかった
周りだけが幸せに見え、自分だけが不幸に思える
経済的、精神的、身体的に苦しく悔しさかった
外見を見て病気が理解されない悔しさ

4.うれしかったこと
友情が深まった
ごく平凡な日常生活が大切でうれしい
命の大切さ、他者への命の大切さを感じる
徳島県の医療のすばらしさを実感している
全国の患者仲間との思いの共有
皆さんと対面して元気が貰えます

5.正しいがんの知識が重要
正しい知識が得られるとがんの怖さがなくなる
がん検診を家族の方に呼び掛けて欲しい
皆さんの生活習慣を見直しして下さい(禁煙、暴飲暴食の控え、朝ごはん食べる)
がん年齢になった時、今日の授業を思い出してください

【趣旨】
 がんに関する知識やがん検診の重要性について理解を深めてもらい、大切な人に宛てたがん検診受診を呼びかけるメッセージカードを作成し、早期発見につなげる。

【対象】
1年生 278名

【内容】
1.講話「がんの予防」 徳島大学医学部 丹黒章氏
2.講話「がんと向き合う」 AWAがん対策募金 川﨑陽二氏
3.大切な人への心のこもったメッセージカード作成

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