2019年11月22日(金)に那賀高等学校 視聴覚室にて、がん検診受診率向上のための出前講座を行いました。
【講話の内容】
今日のお話しの前に生徒達へ質問
がんは予防できるか
がんは高齢者の病気であるか
がんは生活習慣と関係あるか
がんはウィルスや細菌感染で発生するか
がん検診はがんを予防するのに効果があるか
1.がんについて
どんなイメージか 死ぬ、転移する、高齢者がなる病気、怖い、痛い
がんは60兆個の細胞が再生される時コピーがうまくいかなかった場合にがん細胞となるが、普通は免疫細胞などがやっつけてくれる。生活習慣や性感染、大気汚染などの原因で際限なく増える細胞ががんです。
日本人の死亡原因はがんが昭和56年から第1位。現在日本人の2人に1人ががんになって、3人に1人はがんで死んでいる。現在早期発見、治療で生存率が6割を超えている。男性の前立腺がんは9割、女性の乳がんも8~9割が治っている。がんは決して怖い病気ではなくなってきている事を知って下さい。
2.がんの要因
<生活習慣について>
男性の5割、女性の3割は生活習慣や感染が罹患の要因と言われている。そのうちタバコが男性の3割、女性の5%ががんに関係していると言われている。感染は男性の2割、女性の2割が要因と言われている。
生活習慣の中で特にタバコと食生活が関係している。昔は塩辛い漬物を多く食べて胃がんになる人が多かったが今は大腸がんが増えている。食生活が欧米化した結果、脂肪分、肉が多くなり野菜、果物が少ないことが原因と言われている。肉を食べる時は野菜や果物と一緒に食べて下さい。お酒の飲み過ぎ、運動不足、肥満もがんになりやすい体質になると言われている。
タバコは全身のがんと関係していると言われている。煙の中には200種類の有害物質や60種類の発がん物質が含まれている。直接煙と触れる咽頭、口腔、肺や唾液と一緒に身体の中に入り血液により全身に回るので食道、胃、肝臓、すい臓、膀胱、子宮頸がんなどのリスクが大きくアップする。タバコの煙を吸う周りの人も受動喫煙と言ってがんになるリスクが上がる事を知って置いて下さい。興味本位でタバコを吸っている人は、これを機会に是非止めて欲しい。
<感染について>
感染でがんになる場合、ピロリ菌、B型C肝炎型ウィルス、ヒトパピローマウィルス、EBVというウィルス、HTLV-1ウィルスが関係するが、薬やワクチンや対策を取る事で現在は予防できるようになっている。
ヒトパピローマウィルスは子宮がんの原因になる事が分かった。感染は性交渉で移る。興味本位の安易な気持ちで性交渉すると感染してがんになる可能性がある事を覚えて置いて下さい。感染すると必ずがんになるのではなく、自分の免疫で殺すことができ、長時間体内に生き残った時にがんになる可能性が有る。ワクチン接種でこのがんを予防する方法が有るが、接種で重篤な副作用が出て政府は現在も積極的なワクチン接種を勧めていない。両親、先生などと相談して予防できる事はやって行ったら良いと思う。
3.がんの予防
禁煙、節酒、バランス良い食生活、適性体重の維持(BMI)、運動、野菜を350g/1日
4.がん検診の大切さ
検診の効果が期待できるがん種は胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんがある。がんは高齢者ほどなりやすいが、若い人もがんになる可能性はゼロでない。持って生まれたものはどうしようもないが、生活習慣に気を付ける事でがんになりにくいことを理解して下さい。
がんが研究されてきて大腸がん、乳がんも遺伝が関係している場合もある事がわかってきた。がんは現在1番多い病気なので研究も治療も進歩している。昔は辛かった抗がん剤治療も今は良い薬がどんどん出て来ている。血液のがんは抗がん剤治療で治る病気となった。
がん検診のメリットは、がんが大きく進展していない状況で発見する事です。早目に芽を摘めば治る可能性は大きい。がんは死という事は昔の話です。特に乳がんは自己検診で発見できる場合が多いのでお母さんやお祖母ちゃんに教えてあげて下さい。皆さん大切な方にがん検診を勧めてあげて下さい。がん検診に行くことを躊躇している人でも、皆さんからハガキを貰って勧められたらがん検診をしてくれると思う。検診に行って何もなければ安心できる。よろしくお願いします。これからも元気で楽しく高校生活を送って下さい。
【趣旨】
がんに関する知識やがん検診の重要性について理解を深めてもらい、大切な人に宛てたがん検診受診を呼びかけるメッセージカードを作成し、早期発見につなげる。
【対象】
1年生 65名
【内容】
1.講話「早期発見の大切さ、生活習慣とがん」 緩和ケア認定看護師 郡利江氏
2.大切な人への心のこもったメッセージカード作成