徳島北高等学校 出前講座
2019年5月7日(火)に徳島北高等学校 多目的ホールにて、がん検診受診率向上のための出前講座を行いました。
【講話の内容】
最初に池江璃花子、堀ちえみ、八千草薫など有名人の写真から共通する事柄は何か生徒達への質問から始まった。正解は自分ががんである事を公表した有名人。昔はがんである事を患者に宣告してはいけなかった。肺がんなら肺心筋症とか肺結核とか言って隠していた。今は公表する時代になってきた。今、人間は2人に1人ががんになって3分の1の人ががんで亡くなっている。サルは2%ががんになる。魚は0.1%ががんになる。人間はがんになりやすい動物。人間だけが発がん率が上がった。色んな環境因子でがんになりやすくなったと言われている。生徒達が興味を持つ導入部分であった。
1.一般的ながんの説明
がんは1期~4期まである。何が違うかというと、1期・2期は手術で取れる。3期・4期になると取れないので抗がん剤を使うしかない。早期がんはほぼ100%治る。がんは早く発見して治療すれば治る病気。がんが怖いのではなく進行がんが怖い。病気は自分で選ぶことは出来ないが、予防したり早期診断をすることが出来る。がんと正常細胞は何が違うのか、正常細胞はルールを守るががん細胞は守らないでどんどん成長し続ける。正常細胞からがん細胞に行くまでにたくさんの道筋が在る。この遺伝子に傷を付けるのがタバコ、ウィルスなどがあり発がん因子と言う。
2.代表的ながんの罹患率とがん検診の方法
発がん率が高いのは男性1位が胃がん、女性は乳がん、どちらも3位以内に大腸がん、胃がんが入っている。一方、死亡率は男性1位が肺がん、女性は大腸がん。乳がんではなかなか亡くならない。男性の肺がん患者は7割の方が亡くなる。膵臓がんは90%。女性も同じで肺がん患者は60%の方が亡くなり、膵臓がんの方は90%が亡くなる。がんの罹患率を代表的ながんである子宮頸がん、乳がん、大腸がん、肺がんで見て行く。
①子宮頸がん
子宮頸がんは25歳位から発症して35歳位から65歳位まで亡くなっていく。非常に若い時から罹患しヒトパピロマウィルスが関係している。ワクチンが出来ているが世界で日本だけが受けないで遅れている。ワクチンで6~7割予防が出来る。打つ時期は小・中学校。
②乳がん
乳がんは30歳位で掛かり始めて50歳がピークとなっている。若い人が掛かり働き盛りの方が亡くなっている。未婚、肥満、アルコール、初潮が早くて閉経が遅い人、高齢出産の方が掛かりやすい。戦前は乳がん患者が非常に少なく、戦後増えてきている。遺伝子は急速に変わらないので環境因子として西洋化の食生活が関係している。乳がん検診はマンモグラフィーとエコー検診がある。年配の女性はマンモグラフィー、若い女性はエコー検査が有利。
③大腸がん
大腸がんは女性の死亡率が1位。50歳位で掛かり死亡のピークは60歳位で年配の方だ。検査は便の中の潜血を調べるのが簡単だから一番多い。しかし進行がんの方の20~30%は陰性なので注意が必要。精密検査は大腸の内視鏡検査、大変な検査だが異常が無ければ60歳位から10年に一度受ければよいと言われている。
④肺がん
肺がんは65歳位から死亡のピークは70歳位の高齢の方だ。検査は1次検診が胸のレントゲン検査、2次検診はCT検査を行うが、1次検診ではなかなか見つからない。1次検診で見つかるのは進行がんだ。今は1次でCT検診が増えているが、55歳から75歳の方でタバコを吸う人に絞って勧められている。手術は昔大きく30センチも切って行われていたが、今は内視鏡手術で3~5センチの傷で済む。大学ではロボットを使って手術をしている。
3.がんの予防方法
①たばことの関係
早期診断はがん検診、がん予防は生活習慣が大切。タバコ、酒、食事、運動、体重の5つを覚えて下さい。これらをきちっと行うと予防効果として4割リスクが下がると言われており環境因子の4割を予防することが出来る。肺がんの予防は禁煙しかない。吸い始めた時期とがんになる危険度では20歳で吸うと吸わない人の4.7倍危険だ。未成年で吸うと5.7倍と超危険である。徳島県の喫煙率は男性30%、女性が10%で諸外国と比べるとめちゃくちゃ喫煙率が高い。主流煙と副流煙では全く種類が違っていて副流煙にはたくさんの有害物質が含まれている。パチンコ屋で副流煙を一杯吸っている人はタバコ吸っている人と同じくらいリスクが高まる。タバコは肺がんだけでなく膵臓癌、膀胱がんなどほとんどのがんのリスクが高まる。タバコを吸っている人はニコチン依存症という病気になり止められない。今は禁煙できる薬が在るから禁煙外来に行ってきちんと直さなければならない。
②生活習慣との関係
男性の発がんリスクはタバコ、ウィルス感染、お酒だ。女性はウィルス感染、タバコ、お酒と同じ。だから環境因子としてはタバコ、飲酒です。食事は野菜を多く取って運動すればリスクは下げられる。がんのリスクを上げるのは肉、肥満、お酒、タバコである。
③がんと感染症の関係
感染症とがんの関係では、胃がんはピロリ菌が関係している。これは除菌出来るので胃がんも減ってくるであろう。肝がんとの関係はB型、C型肝炎ウィルスが肝がんの元になるがウィルス検査でこれも減ってくるであろう。子宮頸がんもワクチンが在るから克服できる。従って感染症に関しては克服できる時代になってきている。
4.がん検診
がん検診は年齢が来ると市町村から連絡が入る。徳島県のがん検診率は全国で最低に近い状況である。今日お話した予防効果は皆様の為のものです。がん検診はお父さん以上の高年齢の方のものだ。祖父母の方々に予防しましょうと言っても手遅れかも知れない。今日のまとめだがタバコは吸わない、お酒はほどほどに、バランスのとれた食事、適度な運動、太り過ぎない痩せすぎない。今日、家に帰って家族の方に話をしてがん検診を勧めてあげて下さい。
【趣旨】
がんに関する知識やがん検診の重要性について理解を深めてもらい、大切な人に宛てたがん検診受診を呼びかけるメッセージカードを作成し、早期発見につなげる。
【対象】
1年生 320名
【内容】
1.講話「生活習慣とがんの関係」 東徳島医療センター院長 木村秀氏
2.大切な人への心のこもったメッセージカード作成
【講話の内容】
最初に池江璃花子、堀ちえみ、八千草薫など有名人の写真から共通する事柄は何か生徒達への質問から始まった。正解は自分ががんである事を公表した有名人。昔はがんである事を患者に宣告してはいけなかった。肺がんなら肺心筋症とか肺結核とか言って隠していた。今は公表する時代になってきた。今、人間は2人に1人ががんになって3分の1の人ががんで亡くなっている。サルは2%ががんになる。魚は0.1%ががんになる。人間はがんになりやすい動物。人間だけが発がん率が上がった。色んな環境因子でがんになりやすくなったと言われている。生徒達が興味を持つ導入部分であった。
1.一般的ながんの説明
がんは1期~4期まである。何が違うかというと、1期・2期は手術で取れる。3期・4期になると取れないので抗がん剤を使うしかない。早期がんはほぼ100%治る。がんは早く発見して治療すれば治る病気。がんが怖いのではなく進行がんが怖い。病気は自分で選ぶことは出来ないが、予防したり早期診断をすることが出来る。がんと正常細胞は何が違うのか、正常細胞はルールを守るががん細胞は守らないでどんどん成長し続ける。正常細胞からがん細胞に行くまでにたくさんの道筋が在る。この遺伝子に傷を付けるのがタバコ、ウィルスなどがあり発がん因子と言う。
2.代表的ながんの罹患率とがん検診の方法
発がん率が高いのは男性1位が胃がん、女性は乳がん、どちらも3位以内に大腸がん、胃がんが入っている。一方、死亡率は男性1位が肺がん、女性は大腸がん。乳がんではなかなか亡くならない。男性の肺がん患者は7割の方が亡くなる。膵臓がんは90%。女性も同じで肺がん患者は60%の方が亡くなり、膵臓がんの方は90%が亡くなる。がんの罹患率を代表的ながんである子宮頸がん、乳がん、大腸がん、肺がんで見て行く。
①子宮頸がん
子宮頸がんは25歳位から発症して35歳位から65歳位まで亡くなっていく。非常に若い時から罹患しヒトパピロマウィルスが関係している。ワクチンが出来ているが世界で日本だけが受けないで遅れている。ワクチンで6~7割予防が出来る。打つ時期は小・中学校。
②乳がん
乳がんは30歳位で掛かり始めて50歳がピークとなっている。若い人が掛かり働き盛りの方が亡くなっている。未婚、肥満、アルコール、初潮が早くて閉経が遅い人、高齢出産の方が掛かりやすい。戦前は乳がん患者が非常に少なく、戦後増えてきている。遺伝子は急速に変わらないので環境因子として西洋化の食生活が関係している。乳がん検診はマンモグラフィーとエコー検診がある。年配の女性はマンモグラフィー、若い女性はエコー検査が有利。
③大腸がん
大腸がんは女性の死亡率が1位。50歳位で掛かり死亡のピークは60歳位で年配の方だ。検査は便の中の潜血を調べるのが簡単だから一番多い。しかし進行がんの方の20~30%は陰性なので注意が必要。精密検査は大腸の内視鏡検査、大変な検査だが異常が無ければ60歳位から10年に一度受ければよいと言われている。
④肺がん
肺がんは65歳位から死亡のピークは70歳位の高齢の方だ。検査は1次検診が胸のレントゲン検査、2次検診はCT検査を行うが、1次検診ではなかなか見つからない。1次検診で見つかるのは進行がんだ。今は1次でCT検診が増えているが、55歳から75歳の方でタバコを吸う人に絞って勧められている。手術は昔大きく30センチも切って行われていたが、今は内視鏡手術で3~5センチの傷で済む。大学ではロボットを使って手術をしている。
3.がんの予防方法
①たばことの関係
早期診断はがん検診、がん予防は生活習慣が大切。タバコ、酒、食事、運動、体重の5つを覚えて下さい。これらをきちっと行うと予防効果として4割リスクが下がると言われており環境因子の4割を予防することが出来る。肺がんの予防は禁煙しかない。吸い始めた時期とがんになる危険度では20歳で吸うと吸わない人の4.7倍危険だ。未成年で吸うと5.7倍と超危険である。徳島県の喫煙率は男性30%、女性が10%で諸外国と比べるとめちゃくちゃ喫煙率が高い。主流煙と副流煙では全く種類が違っていて副流煙にはたくさんの有害物質が含まれている。パチンコ屋で副流煙を一杯吸っている人はタバコ吸っている人と同じくらいリスクが高まる。タバコは肺がんだけでなく膵臓癌、膀胱がんなどほとんどのがんのリスクが高まる。タバコを吸っている人はニコチン依存症という病気になり止められない。今は禁煙できる薬が在るから禁煙外来に行ってきちんと直さなければならない。
②生活習慣との関係
男性の発がんリスクはタバコ、ウィルス感染、お酒だ。女性はウィルス感染、タバコ、お酒と同じ。だから環境因子としてはタバコ、飲酒です。食事は野菜を多く取って運動すればリスクは下げられる。がんのリスクを上げるのは肉、肥満、お酒、タバコである。
③がんと感染症の関係
感染症とがんの関係では、胃がんはピロリ菌が関係している。これは除菌出来るので胃がんも減ってくるであろう。肝がんとの関係はB型、C型肝炎ウィルスが肝がんの元になるがウィルス検査でこれも減ってくるであろう。子宮頸がんもワクチンが在るから克服できる。従って感染症に関しては克服できる時代になってきている。
4.がん検診
がん検診は年齢が来ると市町村から連絡が入る。徳島県のがん検診率は全国で最低に近い状況である。今日お話した予防効果は皆様の為のものです。がん検診はお父さん以上の高年齢の方のものだ。祖父母の方々に予防しましょうと言っても手遅れかも知れない。今日のまとめだがタバコは吸わない、お酒はほどほどに、バランスのとれた食事、適度な運動、太り過ぎない痩せすぎない。今日、家に帰って家族の方に話をしてがん検診を勧めてあげて下さい。
【趣旨】
がんに関する知識やがん検診の重要性について理解を深めてもらい、大切な人に宛てたがん検診受診を呼びかけるメッセージカードを作成し、早期発見につなげる。
【対象】
1年生 320名
【内容】
1.講話「生活習慣とがんの関係」 東徳島医療センター院長 木村秀氏
2.大切な人への心のこもったメッセージカード作成
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